概要
東北大学金属材料研究所の正橋直哉教授らは、昨年厚生労働省から薬事承認を得た人工股関節ステム用チタン合金(TiNbSn)の摺動摩耗により発生する摩耗粉の生体への悪影響を防ぐため、合金に陽極酸化を施して基板密着性に優れた高硬度のTiO2形成により、耐摩耗性の改善に成功しました。疑似体液中で摺動摩耗試験を行った結果、実用 Ti6Al4V合金基板陽極酸化材より低い摩擦係数が得られ、高い耐摩耗性を見出しました。Ti6Al4V基板酸化膜は、ポア密度が高低な層が交互に積層した構造ですが、TiNbSn基板はポアが不均一に分布しているため、優れた基板密着強度が得られています。今回開発したTiNbSn基板酸化膜は、骨伝導性や抗菌性も確認され、 安全安心なインプラント治療に貢献すると期待されます。
本成果をまとめた論文 [1] は、工学分野において注目される最近の論文を紹介するwebサイト“Advances in Engineering”(AIE)で、材料工学分野でのニュース [2] として紹介されました。
本成果をまとめた論文 [1] は、工学分野において注目される最近の論文を紹介するwebサイト“Advances in Engineering”(AIE)で、材料工学分野でのニュース [2] として紹介されました。
詳細
- [1] Materials Science and Engineering: A [DOI: 10.1016/j.msea.2021.141898]
- [2] Advanced in Engineering [https://advanceseng.com/functional-coating-implantable-ti-alloy/]