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人工股関節ステムが、厚生労働大臣の 薬事承認を得ました

2021/09/22

 花田修治名誉教授と本所産学官広域連携センターの正橋直哉教授、および本学医学系研究科井樋栄二名誉教授が、企業との共同研究により開発した人工股関節用チタン合金製インプラント(ステム)が、このほど厚生労働大臣から薬事承認を得ました。このチタン合金は、生体に安全な元素から構成され、大腿皮質骨のヤング率(10〜30 GPa)に近い36 GPaというチタン合金としては世界最小値を示すことから、応力遮蔽による廃用性骨萎縮の抑制が可能となりました。

 この成果をまとめた論文は、国際的な学術論文の評価機関 “Advances in Engineering”(AIE)により、材料工学分野で特に重要度の高い論文に選ばれました(選出される確率は全世界で毎月国際学術誌に掲載される論文総数の0.1%以下)。また論文のHighlight はニュース速報として、AIEのWebサイトで紹介されました。さらにステム近位部に局所熱処理を施すことで析出硬化による高強度化を実現でき、部位によって求められる異なる力学機能を併せ持つ画期的なステムです。

〇論文情報
S. Hanada, N. Masahashi, T.K. Jung, S. Semboshi.
Materials Science & Engineering A 802 (2021) 140645.