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2024年度仁科記念賞を青木大教授が受賞しました

2024/11/08

アクチノイド物質科学研究部門の青木大教授が、2024年度(第70回)仁科記念賞を受賞しました。
仁科記念賞は、故仁科芳雄博士の功績を記念し、日本で原子物理学とその応用に関して優れた研究業績をあげた研究者に授与されます。授賞式は12月5日に学士会館にて開催されます。

業績題目

「アクチノイド化合物における超伝導の先駆的研究」
"Pioneering research on unconventional superconductivity in actinoid compounds"

業績要旨

超伝導と強磁性(磁石)は、物質が示す相転移現象の中で最も劇的なものであり、現代物理学の中核的研究課題として位置づけられている。この2つの現象は水と油の関係であり長らく相反する現象とされ、その共存は不可能とする見解が支配的であった。青木氏はアクチノイド化合物URhGe(ウラン・ロジウム・ゲ ルマニウム)を発見し、両者が常圧下でも微視的に共存することを示した。さらに本物質の発見により、磁場下で一旦消失した超伝導相が強磁場中で再出現する「リエントラント超伝導」現象が見出され、従来の超伝導とは異なる対称性を有する「スピン三重項超伝導」という新規な超伝導状態の研究領域が開拓された。このように青木氏は強磁性超伝導という新しい分野のパイオニア的役割を果たした。
 

業績詳細

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