公正な研究活動推進

はじめに

 大学は真理の探究の場であることは言うまでもありません。社会の人たちから付託を受け、大学で真理を探究する研究者は、何よりも誠実であることが求められます。それは、研究活動そのものに対してだけではなく、研究成果の発表や研究費の使用についても同様です。真理の探究と科学の発展のためには、研究者がその自由な意思と発想に基づいて、自律的な活動を行うことが重要です。しかし、その学問の独立と自由は、研究者の誠意と責任をもった活動によってはじめて担保されるものであり、研究者と社会との間の信頼関係が無ければ成り立ちません。その信頼関係を損なわないよう、大学に働く私たち研究者には不断の努力が必要です。

 金属材料研究所では、1990年代後半から2000年代前半に発表された論文の一部に研究不正の疑義があり、大きな問題になりました。この問題に対して、東北大学による調査報告書[1]においては、故意による研究不正とは認定されませんでした。一方で、単純ミスでは済まされない多くの不適切な行為があったことは、事実として認められています。さらに、研究者教育やデータ管理の不備も指摘されました。本所は、このような事実および指摘を真摯に受け止めて反省し、再発防止のために研究倫理教育の徹底、確実な研究データの管理などに努めてまいりました。

 私たちは、今後もこの歴史を教訓として、その反省のもとに、常に襟を正して、公正な研究活動を推進していかなければなりません。金属材料研究所の全ての構成員は、今後とも責任ある公正な研究活動を推進する取り組みを実施してまいります。

 皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

東北大学金属材料研究所所長

 

[1] 「研究不正疑義の告発に関する調査報告書」(平成28年12月16日 東北大学)

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