震災復興レポート/A Challenge to the Recovery -KINKEN Today-

このページでは2011年3月11日に発生した東日本大震災から復興する金研の現在の姿を発信していきます。

所長メッセージ

金属材料研究所所長
新家 光雄

3月11日の東北地方太平洋沖地震から2ヵ月以上が経ち、今もなお大変なご苦労を強いられておられる皆様方に、一日も早い復旧、復興がなされることを心よりお祈り申し上げます。 金研も設備等に多大な被害を受けましたが、幸いにも比較的早く復旧を終え、現在ではさらなる飛躍を目指して復興に努めています。このような復興へ早期に着手できたのも、金研が強固な地盤の上にあることの地の利と金研創始者の本多光太郎先生の「今が大切」、「努めてやむな」の言葉に表されている金研精神のもとに全教職員が一致団結して着実かつ迅速な復旧作業に邁進した賜物と言えます。「金研壊滅か?」とのうわさも立ったようですが、今や新たな目標に向け立ちあがっており、今やご心配をお掛けした方々には胸を張って「金研は大丈夫です。」と言える状況にあります。 これまでに他機関が経験したことのない大災害を経験した研究所として、この経験の中からこれまで以上に安心・安全で持続可能な社会構築へ向けての新たな研究・開発テーマを見出し、社会貢献を念頭に、さらなる飛躍を目指して世界レベルの金研をますます確固とするよう努力して行く所存です。今後とも皆様のご支援・ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

金属材料研究所所長
新家 光雄

共同利用状況

共同利用webシステム(http://imr-kyodo.imr.tohoku.ac.jp/application/)は通常通り利用可能です.研究部共同利用研究の申し込み,実施は各担当部門にご相談ください.また本多記念館宿泊施設は通常通り使用できます. 各研究センターの共同利用研究もほぼ再開しています.詳細は各センターHPを参照ください.

震災によせて

vol.19(Jul. 15, 2011)

 私は、金研の佐々木教授とCRESTの仲間としていっしょに研究に取り組ませてもらっております。さる6月15、16日に、CRESTのミーティングで金研を訪問いたしました。
 仙台は私の故郷です。高校を卒業するまで仙台で育ちました。両親は仙台で暮らしています。地震後、二日間両親とは連絡がとれず、とても心配でした。幸いなことに、親戚はみな無事でしたが、自宅を失った人もいます。津波にのみこまれた宮城県や三陸の海岸は、子供のころや学生のころに友達と遊んだりした思い出の場所です。被災された方のことを思うと言いづらいのですが、震災後しばらくは、なかなか平静な気持ちにはなれませんでした。
 CRESTのミーティングで、佐々木さんと理学部の岩井さんから、建物、実験装置の被害状況を含め、最近の研究について聞かせてもらいました。初めて聞く話もあり、あらためて被害の甚大さを痛感しました。大変なご苦労があったのだと推察しますが、おふたりとも元気よく研究に取り組み始めている様子がよくわかり、とても心強く思いました。CRESTのミーティングでの議論とその後の懇親会はとても楽しかったです。毎年楽しみにしているのですが、この恒例の楽しみを今年も失わずにいられたことを、とてもうれしく思っていますし、金研をはじめとした被災地の研究者の仲間たちの努力に感謝したいと思います。

高橋 聡
名古屋工業大学

vol.18(Jul. 11, 2011)

 2001年から2009年までの8年半の間、低温電子物性学研究部門を担当させていただきました。仙台を離れて約1年後に起こった大震災には非常に心を痛め、また金研のことをとても心配いたしました。しかし、金研が東北大学の中でいの一番に復興ののろしを上げ、力強く歩み始めた様子を、いち早く復旧したホームページから知ることができ感激したことを忘れることはできません。そうこうするうちに、これまで見たこともない立派な第81回金研夏期講習会の案内が送られてきたと思うと、いつも通りのIMRニュースKINKENが届けられ、さらに最近では金研のホームページまで更新されました。まさしく、金研が、復旧をはるかに超えて歩みを進めている様子を肌で感じております。 IMRニュースには、震災直後に行われた炊き出しや、毎朝行われた報告会議の様子が報告されており、当時の緊迫した様子をうかがい知ることができました。大きな組織における想定外の非常時には、そのトップの決断力とその周辺の人々の迅速な行動が、結果を大きく左右することになることは、言うまでもありません。今回の新家所長のリーダーシップと金研の皆様のご尽力に心から敬意を表します。さらに、非常時における金研魂の発露、危機管理の成功例・失敗例など、機会がありましたら、ぜひ改めて学ばせていただきたいと思っております。

岩佐 義宏
東京大学大学院工学系研究科

vol.17(Jul. 7, 2011)

 I began my appointment as a visiting Associate Professor June 1, 2011. When I was planning my trip I was uncertain what to expect. Upon arrival I found that Tohoku University and the IMR have recovered and are operating the same as they were in 2010. There are still small aftershocks that remind us of the past and we are working at the IMR, and in all of Japan, to reduce electricity consumption this summer; however, overall the IMR is completely recovered from the Great East Japanese Earthquake and is poised to continue its scientific mission. I am grateful to the ICC-IMR for having the opportunity to come to Sendai this summer where I will be studying the pyroelectric properties of oxide crystals in Prof. Kawazoe's research group. The software FERAM, which was developed by Prof. Nishimatsu, is a truly unique theoretical method that holds the promise to make significant contributions to the development of ferroelectric oxide materials. (http://loto.sourceforge.net/feram/) I am eagerly looking forward to my summer working at the IMR.

Dr. Scott Beckman,
visiting Associate Professor of IMR Department of Physics and Astronomy, Iowa state University

vol.16(Jul. 4, 2011)

 3月11日の地震で、金研図書室も書架が倒れ多数の図書が落ちましたが、幸い利用者も職員も無事で怪我もありませんでした。金研図書室では背の高い書架に図書の落下を防止する器具を付けていたので、他の図書館に比べて被害が格段に少なく復旧作業も順調に進み、4月1日には開室することができました。また、テクニカルセンターのご協力により最も被害の大きかった3号館4階書庫の書架を固定し、さらに図書が落ちないように紐で縛るなどの余震対策を行いました。このように万全を期した上で5月9日から3号館書庫への入室も含め、全面復旧しました。現在は従前通りの夜間・休日の利用も可能です。今回は幸い人的被害がなかったのですが、図書が大量に落下した箇所があり、利用者の安全を確保するためさらなる対策の強化を図る予定です。皆様のご利用をお待ちしています。

金属材料研究所 図書室

vol.15(Jul. 30, 2011)

 仙台では15年間お世話になりました。今回の地震で学生の頃から住んでいた街がどうなったか心配でなりませんでした。5月中旬に仙台に来た際に金研に訪れてみると、休日なので中には入れませんでしたが、強磁場センター1階の10T-CSMヘリウムフリー磁石のクライオポンプが「プシュプシュ」というリズムを奏でていて安心しました。6月からの共同利用が再開という連絡を聞き、早速申請しました。今日(6月12日)は10T-CSMで実験をしています。新規ホイスラー合金の磁性や物性を研究していますが、室温付近でマルテンサイト転移を起こすので使い勝手もよくありがたいです。しばらく懸案だった実験も順調に進んでいます。使用記録簿を拝見すると、3月から4月にかけて、何度も通電試験や安全確認をされていたとのこと。おかげで以前と同じように強磁場での実験が出来ます。強磁場センターのスタッフの方々の努力に感謝します。  青葉山地区の被害が大きかったと聞いています。一刻も早く復旧されて、今まで以上の研究が出来ることを祈っています。さらに宮城県民全員が早く元の生活に戻れるように祈っています。

左近 拓男,
秋田大学 工学資源学研究科 機械工学専攻 准教授

vol.14(Jul. 27, 2011)

 震災から3ヶ月以上が経ちました。そして今日、IMRニュースvol.65を無事発行することができました。震災前に企画していた内容を一部変更し、“震災復興号”と位置づけた今号は、特別なニュースレターとなりました。最初のページを開くと、「TOP MESSAGE」には新家所長からの復興に向けた力強い言葉が綴られています。この原稿をいただき、目を通した時は、何としても予定通りの期日に発行しなくてはと決意を新たにしました。しかし、はたして印刷をお願いしている工場は稼動しているのだろうか?紙不足の心配は?色々な心配がよぎりましたが、業者へ連絡を取り状況を聞いて心配事を一つ一つクリアにし、予定通りの工程を踏めることとなりました。それぞれのテーマで執筆をお願いしていた先生方からも次々と原稿を寄せていただき、研究設備の復旧の最中に時間を割いていただいたことに本当に頭の下がる思いです。 編集業務を通して、震災後心を一つに前を向いて歩み続ける先生方から私はたくさんの力をいただきました。これからもそんなエネルギッシュな金研を伝えて行こうと思います。

相澤 由美,
金属材料研究所 情報企画室 広報担当スタッフ

vol.13(Jul. 23, 2011)

 去る6月10日に東日本大震災後初めて金研にお伺いし、金研がほぼ正常に戻っていることを知り安心しました。
 私は1978年に起きた宮城県沖地震を、金研旧一号館で経験しました。地震発生時すぐに机の下にもぐりましたが、本棚が倒れ、天井の蛍光灯が降ってきました。宮城県沖地震以降、本棚や実験装置は全て壁に固定することが義務付けられましたが、宮城県沖地震の教訓が生かされたように思います。
 今回の地震では、私の住む茨城県東海村でもかなりの被害を受け、ライフラインが寸断されました。その状況は33年前に経験した宮城県沖地震の時と同じですが、前の地震に比べてさらに困ったのは、インターネットが10日余りにわたって不通になり、外部との情報交換ができなかったことです。インターネットが回復し、私の状況を心配するメールが海外から何百通も送られてきていたことを知り、感激しました。
 青葉山の一部の研究施設や建物の復旧には、しばらく時間がかかると聞いています。東海では、一部の大型施設の復旧に今年度いっぱいかかると思われます。しかし、単なる現状復帰には終わらせないで、新しい飛躍を加えられるようにがんばりましょう。

前川 禎通,
日本原子力研究開発機構、先端基礎研究センター

vol.12(Jul. 17, 2011)

 地震が起きたとき,私はちょうど3階にいました。強い揺れが長く続き天井や床が落ちるかと思ったほどでした。しかし,幸運なことに金研のすべての建物は無事でした。その後のチェックにより,ハイブリッドマグネットシステムにはトラブルが発生し修繕には時間がかかりそうですが,強磁場センターにある無冷媒を含むすべての超伝導マグネットや実験装置の正常動作は確認できています。地震から2ヶ月以上経過した現在,強磁場センターの研究活動はほとんど復活しています。6月より強磁場マグネットを用いた共同利用も再開します。強磁場センターの共同利用が,震災復興のお役に立てればと思います。

淡路 智,
強磁場超伝導材料研究センター 准教授

vol.11(Jul. 13, 2011)

 At Institut Laue Langvin, everyone was extremely concerned to see the devastation caused by the earth quake in Japan on the 11th of March. Naturally the specialism of research science meant scientists all over the world were especially worried about the colleges and collaborators they know in Japan. For myself, having a confirmed post doctoral position planned at Institute for Materials Research Tohoku University, I was worried not only for my new colleges but also whether I would go to Japan at all. And so it has been very encouraging to hear about how damage in Tohoku was limited and that the recovery project is being dealt with swiftly. I will start at Tohoku University in October working for Prof. Hiroyuki Nojiri.

Dr. Michael L. Baker, School of Chemistry, University of Manchester, UK,
who will be a JSPS Postdoctoral Fellow (from October 2011) of Magnetism division, Nojiri lab., IMR.

vol.10(Jul. 6, 2011)

 地震が起きたとき,私は丁度金研にいました。その後4日間,仙台に滞在しましたが,福島原発のことが心配で仙台を離れ大阪に行きました。その後,3月16日には関西空港から中国へと帰りました。中国ではテレビや研究室の方々を通じて,仙台が大丈夫ということを知り,5月7日に仙台へ戻りました。そのとき,仙台の人々が復興にがんばっている姿を見て,とてもうれしく思いました。今の私の生活には、地震の影響はほとんどありません。東北大学では一部の建物や実験装置に被害が出ていますが,今では,震災前と同じように研究を行っています。

侯 莹 応用物理学専攻修士2年,
強磁場超伝導材料研究センター渡辺研究室

vol.9(Jul. 6, 2011)

 3月31日に高速バスにゆられて5時間ほどかけて東京から仙台へ。4月1日から金属材料研究所の准教授として着任しました。そのときの仙台は、24時間営業のコンビニでさえもが夕方には閉店し、都市ガスが出ないためか営業していないレストランも多かった。しかし、一週間もたつと、ガスが回復し、棚いっぱいに商品を並べたコンビニが夜も営業し、さらに一週間で、何の不自由もない生活が出来るようになりました。5月の連休は温泉宿もショッピングモールもたくさんの人で賑わい、仙台生活を楽しめるようになりました。その間、研究室の余震対策や整備を続けてきており、今では液体ヘリウムや窒素を使った実験も出来るようになりました。

井口 敏,
低温電子物性学研究部門 佐々木研究室 准教授
(東京大学より4月1日赴任)

vol.8(May. 26, 2011)

 Once the unexpectable earthquake happened, a lot of equipment in our lab were displaced and dreadfully broken down. I could not imagine what we were going through in the future and how long it would take to recovery. The IMR staffs, nevertheless, immediately checked to confirm a safety in our building. Now I can imagine because they worked very hard to repair and clean up. That’s why we almost get everything back to normal within a month. In Sendai city, the facilities – electricity, gas and water – were all rapidly restored. I really admire Japanese people for theirs fortitude and responsibility. It seems to me the earthquake shakes only the buildings and breaks down only the machines but not their hearts. I do believe Japan will get through this hard time and even get better than before soon.

Mettaya Kitiwan, Ph.D student from Thailand,
Multi-Functional Materials Science, Materials Processing and Characterization Division, Goto lab., IMR

vol.7(May. 26, 2011)

 As a former postdoc of the IMR, I was very concerned about the situation in Sendai after the Tohoku-pacific ocean earthquake on March 11. After contacting our good friends at the IMR and the Tohoku University for more news, my colleagues and I are very happy to learn that due to the combined great efforts made by the inhabitants from the Tohoku area and other help provided throughout Japan, life in Sendai has almost returned to normality. I plan to visit Sendai and the IMR in the near future for carrying forward our collaborative research works with the physicists there and to see for myself that all the necessary help for the critical areas of concern have been implemented.

Prof. Dr. Micahel Lang, Physics Institute, Goethe-University Frankfurt (M), Germany,
who was the associate researcher of the low temperature condensed state physics division, IMR in 1990-1992.

vol.6(May. 23, 2011)

 金研広報の方から復興へのメッセージを書くよう頼まれましたが、被害に遭っていない者がいまさら何を言っても白々しいような気がしないでもありません。しかしかつて金研に在籍した者としてはやはり大きな心配事であったことは確かです。幸い金研では人的被害や設備に大きな被害は無かったとのことでほっとしましたが、青葉山の方は被害にあったところもあって手放しで喜べないところが残念です。金研は、本多記念館の前にある「乃木将軍遺愛の松」に見られるように乃木将軍の官舎跡だと聞きましたが、当時陸軍はちゃんと安全な所を知っていたのではないでしょうか。私がまだ仙台にいた頃から東北地方に近い将来大地震が起こると云われていましたが、その規模が1000年に一度の大地震とあっては驚くほかありません。特に津波の恐ろしさをあらためて認識した次第です。以前三陸を旅行したとき、田老町で大きな防潮堤を見てなぜこんな物が必要なのだろうといぶかりましたが、これが津波でひとたまりもなく押しつぶされたのをテレビで見て驚きました。 当日、私は午前中東京で会議があって、新幹線で帰る途中列車が突然止まり、そのうち東北地方で地震というテロップが流れましたが規模はわかりませんでした。すでに静岡を過ぎていたので20分遅れで無事新大阪に着きましたが、もう15分遅い列車に乗っていたら帰宅は深夜になっていたはずです。帰宅してからはテレビに釘付けです。私の知っている所が津波にのみこまれる映像を見るたびに思い出と重なり何ともいえない気持ちでした。 1961年の秋、大阪の中之島にあった阪大理学部が、第二室戸台風の豪雨によって水害に遭い、丁度上げ潮だったせいで実験装置のほとんどが海水に浸かるということがありました。私は学部生だったので研究に対する責任はありませんでしたが、来る日も来る日も装置を分解して真水で洗い、あるいはトランスなど電子パーツをジャンク屋で買ってきて、組み立て直すという作業をやったことがあります。勉強を全くしないで毎晩ビヤホールへ通いました。でも実験装置に関しては多くを学びました。阪神大震災の時は、私はすでに金研に在籍していましたが、たまたま大阪の実家に帰っていたため、ぐらっときた瞬間本棚を押さえていました。前任地の神戸大学にまだ装置を残していて、手製の炭酸ガスレーザーが壊れるなど若干の被害はありましたが、金研の内部予算でエジンバラのレーザーを買うことができ、かえって前進しました。若い人はこの地震を千載一遇のチャンスと見て研究面で大きな糧にするよう希望します。電力不足などインフラの面でまだ皆さん不自由があると思いますが、それを乗り切っていい研究を続けてください。たとえいろんなものが不足しても新しい発想で新しい局面を開くことが重要かと思います。

本河 光博,東北大学名誉教授 元磁気物理学研究部門教授,
強磁場超伝導材料研究センター長

vol.5(May. 23, 2011)

 金研では震災後の復旧がスムーズに進んでいます。そのおかげで、私が所属している磁性材料学研究部門でも、薄膜作製用真空装置をはじめとする90%近くの実験装置が使用できる状態になりました。しかしながら、損傷が大きいために未だ可動していない装置があるのも実情です。震災前の研究環境に戻るには時間が必要とされますが、国内外問わず多くの方に金研を訪れて頂き、研究活動を共にできれば以前の活気が取り戻せると信じています。我々の部門でも、震災により研究アクティビティが下がらないよう、むしろ震災前以上の高いモチベーションを持って、スタッフと学生が精力的に研究活動に取り組んでいます。

関 剛斎 金属材料研究所・磁性材料学研究部門・助教

vol.4(May. 13, 2011)

 今回の震災により金属材料研究所を含む東北大学の各研究施設も大きなダメージを被った様子を写真で目の当たりにし、今年度から佐々木教授(低温電子物性学研究部門)との共同利用研究を心待ちしていた矢先、大きなショックでした。幸い共同研究施設への影響は軽微とお聞きし、新幹線の東京‐仙台間開通と同時の4月29日に打ち合わせに金研を訪問し研究のスタートができました。修復中の仙台駅が震災の影響を感じさせましたが、市内の宿泊施設や交通機関はほぼ正常化しつつあり、むしろ復興の力強さを感じました。ただ、知人の車で東部道路を走る機会がありましたが、海岸側の惨状には報道からは感じられない切実なものがあり、人々の心の復興を願って止みません。改めて亡くなられた多くの方に心から哀悼の意を表します。

小出芳弘教授 神奈川大学工学部 研究部共同利用(低温電子物性学研究部門 佐々木研)

vol.3(May. 12, 2011)

 The photograph was taken in the last week, when I went go Michinoku National Park with my friends. We had a really good time. Many kinds of flower were blooming what just like the bright future of Sendai and IMR after quake. Now, I returned my research last month and everything goes smooth. After disaster and recovery of Sendai and IMR, there is any problem in my dairy life. I can get milk, fruits and foods if I want. Two younger friends of mine in China will go to IMR for their PhD degree, I have told them that do not worry about anything cause everything in Sendai has come back to normal.

Dr. ZHANG Song, PD in Multi-Functional Materials Science division, Goto lab., IMR

vol.2(May. 12, 2011)

 震災当時,私は東北大学の青葉山キャンパスに通う大学院生でした.3月に学位を取得後,金研の博士研究員として働くことになっていたので,片付けに忙しくて研究ができるか不安な気持ちはありました.しかし、震災の影響を大きく受けることなく,4月から新たな研究活動をスタートさせることができています.現在,有機伝導体の電子誘電性解明の実験に取り組んでいます.使用している赤外光学測定の装置も含めて、所属研究室の被害は殆どなく,地震の片付けもほぼ終了しました.今は,震災前と同じように,不自由なく研究に打ち込んでいます.

中屋秀貴,低温電子物性学研究部門 佐々木研究室 博士研究員

vol.1(May. 12, 2011)

 I am a postdoctoral researcher at the High Field Laboratory for Superconducting Materials since the end of 2009. At the time when the earthquake hit, I was at my workplace. The first few days after the disaster were very frustrating since the aftershocks were coming continuously. However, I must say I really appreciate the technology of the buildings construction in Japan: neither our laboratory, nor my house or the buildings around were damaged significantly. The recovery from the earthquake in Tohoku University goes extremely fast. The majority of laboratories are operating and the scientific and social life has got back to its normal state!

Dr. Evgeniya Tereshina, JSPS postdoctoral fellow (2009-2011),
High Field Laboratory for Superconducting Materials, Watanabe lab.. IMR