発表のポイント
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超伝導を担う電子対の密度が空間的に波打つ「ペア密度波(PDW)」は、高温超伝導の複雑な性質を理解する鍵として注目されています。
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共鳴軟X線散乱により、La系銅酸化物で、主要な電荷密度波(CDW)の二倍の周期を持つ弱い「サブハーモニック応答」を観測しました。
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PDW相関と整合するこの応答は、物質の電子状態を探る指標になります。
概要
La系銅酸化物高温超伝導体において、超伝導を担う電子対が空間的に周期変調するペア密度波(PDW)は、超伝導発現の観点から注目されています。しかし、これまでペア密度波を示唆する間接的な証拠は報告されていたものの、PDWに期待されるサブハーモニック応答は見つかっていませんでした。
東北大学金属材料研究所の藤田全基教授、SLAC国立加速器研究所のJun-Sik Lee上級科学者を中心とする国際研究チームは、Sr置換LBCOとFe置換LSCOという化学的に異なる物質を対象に、選択的な共鳴軟X線散乱法を用いて銅の電子状態を調べ、微弱なサブハーモニック応答を検出することに成功しました。この応答は、通常の電荷密度波(CDW)のおよそ二倍に当たる周期の波であるという特徴を持ちます。さらに、この応答が現れる温度域を特定することから、PDWが一様な超伝導やストラプ秩序と共存・干渉する特徴を持つことを明らかにしました。
今回の発見は、PDW秩序の単独証明ではありませんが、物質内部のPDW相関を検証するための新しい実験的手がかりとして位置づけられます。
本研究内容は、2026年8月31日にPhysical Review B にオンライン掲載され、編集部推薦論文(Editors' Suggestion)に選ばれました。
詳細
- プレスリリース本文 [PDF: 470KB]
- Physical Review B [DOI: https://doi.org/10.1103/djbs-mcz5]

図1. La系銅酸化物における絡み合った電子秩序の模式図。冷却に伴いCDW・スピン密度波・PDW相関・三次元超伝導が異なる温度領域で発達する。PDW変調は、主要なCDWの約2倍の実空間周期(4aに対して8a)を取り得る。
