平成27年5月29日(金)、本所2号館講堂にて、第129回金属材料研究所講演会を開催しました。研究所内外から130名の参加者が来場し、研究者間の意見交換も行われる有意義な開催となりました。
午前の部は本所教員3名による一般講演が行われ、各研究室の最新の研究動向を報告しました。午後の部では、特別講演の講師として、東芝マテリアル株式会社代表取締役社長の小林薫平氏と、山梨大学大学院総合研究部教授の鳥養(とりかい)映子先生をお招きし、ご講演を頂きました。
小林氏からは、東芝マテリアルにおける材料研究の変遷と、過去の多種多様な研究蓄積を活かした医療用機器や白色LEDなどの開発についてご講話いただきました。基礎研究が企業の材料開発にどのように貢献できるのか、研究の有用性を具体的に伝えることの重要性についても言及され、「産業は学問の道場なり」を信条とする金研研究者にとって示唆に富んだ講演となりました。
鳥養先生からは、物質の表面近傍から内部までを観察できる超低速ミュオン顕微鏡の仕組みや開発経緯ついてご講話いただき、今後の応用研究への貢献が期待されました。講演の最後には、理工系の女性研究者や技術者の近年の動向について、興味深いデータを教示しながら今後の材料工学の将来像についても触れられ、会場の関心を集めていました。
94件もの演題が発表されたポスターセッションでは、先生方や学生同士で活発な議論が行われ、下記のとおり最優秀賞者1名および優秀賞者4名が決定いたしました。
最優秀ポスター賞
低温物理学研究部門
宮川 智樹
優秀ポスター賞
不定比化合物材料学研究部門
山口 陽平
不定比化合物材料学研究部門
範 滄宇
錯体物性化学研究部門
田代 勇太
水素機能材料工学研究部門
李 関喬