化粧品にも使われる無害で安価な白い粉、「酸化亜鉛」が、励起子の再結合による紫外光を高効率でレーザ発振できる優れた半導体であることを同グループは8年前に明らかにした。今日まで世界中で電流注入発光を目指したpn接合の研究が行われてきたが、ついに成功への鍵が明らかとなった。欠陥を極力減らした良質結晶に上手に添加物を入れて価電子制御を行う、という数十年の半導体開発の歴史はまたまた繰り返されたわけだが、今回の開発にはコンビナトリアル手法とレーザ加熱レーザMBEという最新技術が大いに威力を発揮した。本研究は、筑波大学、理化学研究所、本学電気通信研究所、静岡大学、東京工業大学、物質材料研究機構と共同で実施され、Nature Materials誌への印刷に先立ちWeb公開された(12月19日)。また20日朝のNHKニュース(全国版)で放映されるとともに、朝日、日経産業、日刊工業、河北新報(12月20日付)などでも紹介された。
川崎グループ (超構造薄膜化学研究部門)