強磁場センターでは、株式会社東芝と共同で、無冷媒高温超伝導マグネットの開発により、52mmの室温実験空間に18.1テスラの強磁場発生に成功しました。無冷媒超伝導マグネットによる発生磁場は、我々が1992年に世界で初めての4テスラ無冷媒超伝導マグネットの実用化に成功して以来、これまでに15テスラまでの磁場発生を実現させていました。今回、発見されて19年目になるが、未だに本格的な強磁場パワー応用が無かった高温超伝導体を内挿コイルとして用いることにより、世界記録を大きく更新することに成功しました。無冷媒超伝導マグネットは、他の強磁場マグネットに比べて、コスト・安全性・利便性・柔軟性など多くのメリットを有するマグネットです。今回開発した高温超伝導マグネットで20テスラ級の強磁場応用が手軽に拓かれていくものと期待されます。その成果は日経産業新聞で報道されたほか、11月21日から新潟朱鷺メッセで開催される低温工学・超伝導学会で発表されます。
図 Cryogen-free 18.1T superconducting magnet