結晶欠陥物性学研究部門は、半導体ゲルマニウムの結晶成長に斬新な方法を考案し、無転位結晶の育成に成功しました。従来の結晶育成では融液の表面に酸化ゲルマニウムが発生し、そのため育成結晶中に高密度の転位が形成されます。その問題について融液での元素の反応と物性を厳密に検討し、酸化ホウ素で融液表面の一部を覆うことでその酸化ゲルマニウムを完全除去するという、非常に簡便でエレガントな方法を考案しました。ゲルマニウムは次世代高速電子デバイスや高効率Ⅲ-Ⅴ族太陽電池の基板材料として期待されています。本技術はこれらの分野の発展に寄与します。この成果は、日経ネットホームページ(2009年9月8日付)で紹介されました。また、Elsevier出版社発行の英文学術雑誌「Journal of Crystal Growth(結晶成長学誌)」のOnline版(2009年9月9日付)に公開されています。(プレスリリース本文)