超ウラン酸化物NpO2の純良単結晶を育成し、核磁気共鳴(NMR)を測定することで、Npの5f電子が新しい磁 気八極子秩序状態を形成していることを発見しました。磁気八極子とは磁化の異方的な分布に関係する物理量で、電子のスピンと軌道が量子力学的に絡み合うことにより生じます。これは、多くの物理現象に普遍的な「自発的対称性の破れ」という現象の一つです。50年来の謎であったNpO2の特異な秩序状態が、純良単結晶とミクロスコピックな実験手段により解明されました。この成果はPhys. Rev. Lett.に発表され、河北新報、日刊工業新聞(12月20日付)で報道されました。本研究は日本原子力研究開発機構との共同研究です。
High quality single crystal of NpO2 grown by the chemical transport method
塩川グループ (放射線金属化学研究部門)、
附属量子エネルギー材料科学国際研究センター
附属量子エネルギー材料科学国際研究センター