東北大学金属材料研究所の佐藤豊人助教、同大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の折茂慎一教授は、同大学大学院理学研究科の富安啓輔助教との共同研究により、ラーモア反磁性という物質の一般的な磁気応答特性が、構成元素の化学的性質である電気陰性度注と一定の関係性を持つことを突き止めました。この関係性は、物性機能の起源となる化学結合の状態を、素早く簡便に評価する指標を与えるもので、結合の状態の評価が特に難しい水素化物においても成り立つことが示されました。
今後、未来の水素社会の構成要素である燃料電池、充電池、水素センサーなどについて、物質開発の時間やコストの圧縮に貢献すると期待されます。
本成果は、2015年4月24日(英国時間)、英国王立化学会のChemical Communications誌に公開されました。
詳細1(理学部Webサイト)http://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20150703-3581.html
詳細2(Chemical Communications 英国王立化学会Webサイト)
http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2015/CC/c5cc02351c#!divAbstract
図:電気陰性度の差 (ΔχEN ) とラーモア反磁性磁化率の実験値と理論値のずれ率 (α) のプロット