東北大学金属材料研究所の窪田崇秀助教、高梨弘毅教授らのグループは、巨大磁気抵抗(CPP-GMR)素子に用いる非磁性金属中間層材料の新規材料を見いだし、素子を高出力化することに成功しました。CPP-GMR素子は、素子抵抗の小さな磁気抵抗素子として、次世代ハードディスクドライブ(HDD)用情報読み取り素子への応用が期待されています。しかし、従来の材料を用いた素子では出力が不十分であり、高出力化のための新材料探索が必要とされていました。本研究では、ハーフメタルの磁性電極と非磁性Ag-Mg合金とを組み合わせることで、非磁性材料にAgを用いた従来素子との比較で7割もの巨大な抵抗値変化が得られることを明らかにしました。今後、HDDなどの情報機器や磁気センサーの高性能化によって、高度情報化社会の発展に寄与するものと期待されます。
本成果は2015年5月27日(水)、Applied Physics Express誌に公開され、Spotlights論文に選ばれました。
詳細(IOP Publishing 英国物理学会出版局Webサイト)
http://iopscience.iop.org/1882-0786/8/6/063008
図:新材料(Ag-Mg)中間層を用いた素子(左)と従来材料(Ag)を用いた素子の磁気抵抗曲線。
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