東北大学金属材料研究所の野島勉准教授、東京大学大学院工学系研究科附属量子相エレクトロニクス研究センターの岩佐義宏教授らの共同研究グループは、セラミック半導体の一種でかつ原子膜材料である層状窒化物・塩化窒化ジルコニウム(ZrNCl)表面で、原子層の厚さ程度の乱れの極めて少ない”究極の2次元超伝導体”を実現しました。
さらに、このように乱れが極めて少ない2次元超伝導体では、磁場下において超伝導状態は維持されず、代わりに量子ゆらぎによる金属状態が出現することを解明しました。図は、イオン液体をZrNCl上に乗せた電気二重層トランジスタ構造に表面に電場が加わっている様子を表しています。
この研究成果は、超伝導体を用いた“次世代のナノエレクトロニクス材料開発への礎”となることが期待されます。
本成果は米国科学雑誌「Science」のオンライン速報版「Science express」に10月02日(金)に掲載されました。
詳細1: プレスリリース本文 [PDF:598KB]
詳細2: Science express Webサイト [DOI: 10.1126/science.1259440]
図:ZrNCl電気二重層トランジスタと量子揺らぎによる磁束の動き(カーソルを合わせると詳細説明がご覧いただけます。)