発表のポイント
- 広大な熱処理条件空間を探索するための全自動実験システムの実現が、鉄鋼などのバルク構造用金属材料において求められています。
- 熱処理炉、X線回折による構造解析、力学特性評価装置をロボットアームで統合し、世界的にも先駆的なバルク金属試料の全自動熱処理・構造・特性評価システムを開発しました。
- プロセス-構造-特性データを高効率創出するこのシステムの実現は、バルク金属材料でのAI自律探索の道を拓く成果です。
概要
鉄鋼などのバルク構造用金属材料は、熱処理によって同じ組成でも構造や特性が大きく変わるため、広大な熱処理条件空間を高効率探索できる自動実験システムの実現が求められています。しかし、バルク金属の自動実験は、試料の扱いや大掛かりな装置が必要なため困難であり、世界的に遅れています。
東北大学金属材料研究所の謝玉麟助教、関田さやか学術研究員、古原忠教授(研究当時、現物質・材料研究機構(NIMS))、宮本吾郎教授、NIMSの田村亮グループリーダー、株式会社LaboRoboの稲川雅也代表取締役(研究当時、現TsubameLab CAIO)の研究チームは、高周波誘導加熱炉、X線回折装置、微小衝撃試験機をロボットアームで統合し、バルク金属試料の熱処理・構造解析・力学特性評価を連続して自動実験するシステムを開発しました。このシステムでは、従来の人による実験に比べ10倍以上の速度で一連の処理・評価を行い、同等の精度で力学特性を評価し、かつシステム小型化も実現しています。
今後、次条件提案AIと組み合わせることで、革新的な構造用金属材料の自動自律探索への発展が期待されます。
本研究成果は 2026年9月18日に、総合科学誌Science and Technology of Advanced Materials: Methodsにオンライン掲載されました。
詳細
- プレスリリース本文 [PDF: 609KB]
- Science and Technology of Advanced Materials: Method [DOI: 10.1080/27660400.2026.2735657]

