東北大学と(株)C&Aは、NEDOの「戦略的基盤技術高度化支援事業」で得た成果を元に、がん検査などに使われる陽電子放射断層撮影装置(PET)用のセンサー素子であるセリウム添加ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(Ce:GAGG)シンチレーター結晶を、直径4インチ(101.6mm)、長さ150mm、ひび割れなし(クラックフリー)で製造する技術を確立しました。
Ce:GAGGは、従来のPET用シンチレーター結晶材料と比べて2倍程度の発光量を持つため、PET用シンチレーター結晶の高発光量化・高感度化によるPETの特性向上が見込めますが、蛍光寿命が長くPETには適していませんでした。今回、最適な共添加剤とその最適濃度を見いだし、高い発光量を保ちつつ蛍光寿命を短くすることで、高速時間応答を実現し、PETにも適用できるようになりました。
本技術の活用により、PET検査で小さながんでも早期に発見でき、がん患者の医療費の削減とQOL(生活の質)向上に寄与することが期待されます。
概要
そこでNEDO事業終了後に、(株)C&Aと東北大学は、高発光量を維持しつつ蛍光寿命の短寿命化(応答時間の高速化)を実現するために最適な共添加剤とその最適濃度を見出し、蛍光寿命がCe:LYSOと同等の40ns程度まで高速化する組成方法を確立しました。さらに、NEDO事業成果である結晶サイズの大口径化とねじれ成長の抑制方法論を発展させ、Ce:GAGGシンチレーター結晶を、直径4インチ(101.6mm)、長さ150mm、クラックフリーで製造する技術を確立しました。
本技術の活用により、PETに用いるシンチレーター結晶の高速時間応答、高発光量、高感度化などが見込まれ、PETの解像度が向上することから、より早期での小さながんの発見が可能となり、がん患者の医療費削減とQOL(生活の質)向上に寄与することが期待されます。
詳細
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