国立大学法人東北大学(以下、東北大学)、仙台市および株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、指定避難所に設置された蓄電池(バッテリー)の最適制御や電力の見える化を実施し、平常時や災害時に電力を効果的に活用できる体制構築に向け、2019年5月30日(木)に共同実験協定を締結しました。
これにより、地域の災害対応力向上と環境負荷の低減に貢献してまいります。
概要
仙台市は、2011年3月11日(金)に発生した東日本大震災の経験と教訓を踏まえ、災害時に指定避難所として活用される仙台市内の小中学校など196か所に、太陽光発電で充電可能な蓄電池を備えた防災対応型太陽光発電システム※1を設置しました。
このシステムは、平常時に太陽光発電の電力を小中学校などの施設で使用するとともに、災害時には蓄電池の電力を照明や防災行政無線・テレビなどの電源として活用しています。システムを運用する中で、平常時の太陽光発電の電力が使いきれず余剰電力が生じたり、災害時に備えて長期に満充電を続けているために蓄電池の劣化が進んだりする問題があったため、仙台市と東北大学は一部の施設のシステムを対象として防災対応型エネルギーマネジメントによる最適制御の実証に取り組んできました。
しかし、196か所の施設にあるシステムの中には通信方式の仕様などが異なる蓄電池が多数存在するために、平常時の太陽光発電と蓄電池の最適制御を全施設に適用できないという課題や、災害時の施設の電力使用量や蓄電量の残量などの情報をリアルタイムに収集できずに、避難所の運営に生かされていないという課題がありました。
そこでこれらの課題を解決するために、今回、ドコモが取り組んできた太陽光発電と蓄電池を組み合わせたグリーン基地局※2の管理・制御技術を新たに取り入れ、仙台市、東北大学およびドコモは、災害対応型エネルギーマネジメントの実証実験協定を締結しました。
今後、本取り組みにより、3者連携のもとで、再生可能エネルギーの利用促進による脱炭素社会への貢献と、災害発生時の電力の見える化による安全安心の取り組みを進めてまいります。