発表のポイント
- 有機超伝導体において光の増幅現象(誘導放出)を発見
- 誘導放出の時間応答の解析から超伝導の機構を提案
- 銅酸化物や鉄ヒ素系高温超伝導体への応用によって高温超伝導の機構解明が期待
概要
東北大学金属材料研究所の佐々木孝彦教授、東北大学大学院理学研究科の岩井伸一郎教授、川上洋平助教、石原純夫教授、中央大学理工学部の米満賢治教授、名古屋大学大学院工学研究科の岸田英夫教授、分子科学研究所の山本浩史教授、川口玄太特任助教らの研究グループは、有機超伝導体に極めて強い光パルスを照射した瞬間、光が増幅される現象(誘導放出)が起こることを発見しました。さらに、この誘導放出は、超伝導の発現の仕組みとも関係していることが明らかになりました。今後、銅酸化物や鉄ヒ素系などの高温超伝導の機構解明に役立つことが期待されます。
この成果は英国科学雑誌「Nature Photonics」のオンライン版に2018年6月25日午後4時(ロンドン現地時間)に掲載されました。
詳細1: プレスリリース本文 [PDF: 936KB]
詳細2: Nature Photonics ウェブサイト [10.1038/s41566-018-0194-4 ]
a 波長変換(第二高調波発生)b 光増幅(誘導放出)の模式図 c 超伝導体の非線形フォトニクスの概念図