沿革
金属材料研究所が誕生した頃の日本では、第一次世界大戦の影響で外国からの物資の輸入が極度に制限され、ことに化学薬品や鉄鋼の自給の必要に迫られていました。そのため1915年8月に、東北帝国大学理科大学に併設された臨時理化学研究所に不燃性セルロイドの研究を目的とする第1部が、続く1916年4月に、鉄鋼の研究を目的とする第2部が本多光太郎博士を研究主任として発足しました。ほどなく本多光太郎博士はKS磁石鋼を発明しました。このことが、以来100年にわたり、本研究所が我が国における金属研究の中心的存在として数多くの業績をあげ、すぐれた人材を世に送り出す先駆けとなりました。
1987年5月、本研究所は材料科学の飛躍的な進歩と新素材産業の急激な発展に対応するため、東北大学附置全国共同利用型研究所として再発足しました。これに伴い、研究部門の大幅な転換を図るとともに研究施設を充実させ、全国の研究者や技術者との共同研究を積極的に推進することになりました。今や共同研究の門戸は、国内のみならず、国外にも開かれ、国際的な研究交流が実施されています。
大正
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(1916)大正54.1
東北帝国大学理科大学に臨時理化学研究所第2部発足
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(1916)大正5
KS磁石鋼発明
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(1919)大正85.22
附属鉄鋼研究所設置(東北帝国大学官制改正により、制度化)
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(1921)大正104
本館(旧1号館)及び工場建物完成(住友からの寄附)
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(1922)大正117
第一回金属材料講習会(現夏期講習会)開催
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(1922)大正118.9
金属材料研究所設置(金属材料研究所官制制定により、東北帝国大学に附置。3部門より構成)
英語名をResearch Institute for Iron, Steel and Other Metals(RIISOM)とする
昭和
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(1930)昭和511
低温研究室(旧2号館)完成(斎藤報恩会からの寄附等)
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(1939)昭和147
材料試験室完成(日本鋼管株式会社からの寄附)
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(1939)昭和14
カピッツア型パルスマグネット(5ms、27.3T)設置
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(1941)昭和1610
本多記念館完成(本多光太郎在職25年記念会からの寄附)
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(1945)昭和207.9
米軍空襲により工場・研究施設3,373㎡を焼失
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(1949)昭和244.1
研究所整備により5部門新設 21部門となる
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(1952)昭和27
日本初のヘリウム液化器導入
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(1952)昭和27~
(1959)昭和34工業化研究部建物・設備整備(古河鉱業・古河電工株式会社からの寄附を含む)
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(1959)昭和34
ビッター型マグネット(3.5MW、10T)設置
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(1957)昭和32~
(1962)昭和37原子炉材料研究部関係4部門増、25部門となる
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(1964)昭和39
附属工場建物改築
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(1969)昭和446.11
附属材料試験炉利用施設設置(茨城県)
原子炉材料研究部関係1部門増、26部門となる -
(1971)昭和464.1
低温センター(学内共同利用施設)設置(〜1996年5月10日)
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(1972)昭和475.1
附属道川爆縮極強磁場実験所設置(秋田県)(〜1981年3月31日)
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(1974)昭和494.11
百万ボルト電子顕微鏡室(学内共同利用施設等)設置
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(1981)昭和563.31
附属道川爆縮極強磁場実験所廃止
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(1981)昭和564.1
附属超電導材料開発施設設置
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(1986)昭和614
1号館及び2号館老朽のため取りこわし
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(1986)昭和61
31.1Tハイブリッドマグネット完成(当時の世界最強定常磁場)
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(1987)昭和623
新研究棟完成(1号館)
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(1987)昭和625.21
全国共同利用研究所に改組
客員研究部門3部門増、16部門名称変更、29部門となる。
附属新素材開発施設設置
英語名をRIISOM からInstitute for Materials Research(IMR)に改称 -
(1988)昭和636.11
客員研究部門1部門増 30部門となる
平成
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(1989)平成元4
附属材料試験炉利用施設にアクチノイド元素実験棟完成
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(1989)平成元5.29
附属超電導材料開発施設を附属超伝導材料開発施設と改称(〜1991年3月31日)
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(1991)平成34.12
附属強磁場超伝導材料研究センター設置(〜2001年3月31日)
附属新素材開発施設に2研究部設置 -
(1992)平成410.1
寄附研究部門設置
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(1993)平成54.1
技術室設置
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(1993)平成512
2号館完成
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(1994)平成63
スーパーコンピュータ棟完成
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(1994)平成610
本多記念館改修完了
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(1995)平成73
3号館完成
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(1996)平成85.11
極低温科学センター(学内共同利用施設)設置
附属新素材開発施設を附属新素材設計開発施設に改組 -
(2001)平成1210.1
計算材料学センター設置
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(2001)平成134.1
附属強磁場超伝導材料研究センターを改組転換
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(2002)平成144.1
附属材料科学国際フロンティアセンター 設置(〜2008年4月1日)
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(2004)平成164.1
国立大学の法人化に伴い、東北大学法人の設置する金属材料研究所となる。
附属材料試験炉利用施設を附属量子エネルギー材料科学国際研究センターと改称 -
(2005)平成174.1
附属新素材設計開発施設を附属金属ガラス総合研究センターと改称
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(2006)平成184.1
附属研究施設大阪センター 設置(〜2011年3月31日)
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(2006)平成1811.16
大連理工大学材料科学工程学院共同研究センター設置(〜2018年1月26日)
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(2007)平成194.1
技術部をテクニカルセンターに改組
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(2008)平成204.1
国際共同研究センター 設置
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(2010)平成224.1
材料科学共同利用・共同研究拠点に認定
低炭素社会基盤材料融合研究センター 設置(〜2015年3月31日)
中性子物質材料研究センター 設置 -
(2011)平成234.1
附属研究施設関西センター 設置(〜2016年3月31日)
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(2012)平成246.1
超低損失ナノ結晶軟磁性材料研究開発センター 設置(〜2017年3月31日)
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(2013)平成254.1
附属金属ガラス総合研究センターを附属新素材共同研究開発センターと改称
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(2014)平成264.1
百万ボルト電子顕微鏡室を先端電子顕微鏡センターと改称
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(2015)平成274.1
先端エネルギー材料理工共創研究センター 設置
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(2016)平成284.1
材料科学共同利用・共同研究拠点の認定更新
附属産学官広域連携センター 設置(~2024年3月31日)
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(2016)平成285.21
金属材料研究所創立百周年
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(2018)平成3011.13
材料科学国際共同利用・共同研究拠点に認定
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(2019)平成314.1
客員研究部門3 部門を廃止し、融合研究部、先端・萌芽研究部門を設置
令和
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(2020)令和22.1
先端放射光利用材料研究センター設置
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(2021)令和310.14
本多記念館が登録有形文化財(建造物)に登録
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(2022)令和44.1
材料科学国際共同利用・共同研究拠点の認定更新