金属錯体は、遷移金属イオンとその周りの有機物・無機物(配位子)からなる分子性化合物です。プラモデルを組み立てるがごとく、金属イオンと配位子を選択することにより、磁気的相関や電子共役を媒介する多次元連続格子や配位高分子を設計することができます。
本部門では、金属錯体を物質基盤とする多次元格子や有機・無機低次元ハイブリッド格子を合目的に設計することにより、“格子上” の電子・スピン、そして、“格子空間” でのイオン・物質輸送と分子間相互作用の高次自在制御を目指した機能性分子材料の開発に取り組んでいます。特に、電荷移動制御による分子スピントロニクスの開拓、分子強磁性導電体の開発、酸化還元活性多孔性分子材料の開発とホスト・ゲスト相互作用による電子・スピン協奏現象の開拓、キラリティ挿入による物性対称操作などに取り組んでおり、近未来分子材料への新たな提言を発信することを目指しています。