本部門では、磁性体、超伝導体、熱電物質といった多彩な量子マテリアルを設計・合成・計測し、新奇物性の開拓と基礎物理の構築を目指します。
物質中の電子はクーロン力で反発しながら量子力学に従って運動するため、一電子のバンド構造からは予測できない多体効果として、磁性や超伝導などの創発的な物性が現れます。一方、バンド構造そのものが通常の金属と異なり、相対論的運動方程式で記述される物質も存在します。こうした電子状態は真空とは異なるトポロジーで保護され、外乱に強い物性を示します。これら多体効果とトポロジカル効果が共存・協奏する量子マテリアルは、次世代のエレクトロニクスや量子計算の基盤材料として近年注目されています。我々は、独自のアイデアと理論研究者との協力によりそれらを設計し、多彩な手法を駆使して実際に合成します。さらに精密測定により、個性的な物性・機能を解明し、根底に潜む普遍的な物理を探求します。
