東北大学金属材料研究所の平田倫啓助教、東京大学大学院工学系研究科の石川恭平大学院生(研究当時)、宮川和也助教、鹿野田一司教授、名古屋大学大学院理学研究科の松野元樹大学院生、小林晃人准教授らの研究グループは、東京理科大学の田村雅史教授、フランス国立科学研究センターのClaude Berthier主任研究員(グルノーブルアルペン大学 教授兼任)と共同で、未解明であった強く相互作用するゼロ質量電子系の特性を電子相関が強い有機分子性結晶に着目することで実験的に初めて検証しました。そして、通常の金属では見られない電子スピンの新規なゆらぎを観測し、理論計算との比較から、これが自発的な質量獲得機構の一つであるエキシトン転移の前駆的なゆらぎであることを解明しました。これは、ディラックコーンと呼ばれるバンド構造(電子のエネルギーと運動量の関係を規定するもの)に固有の新しい電子相関効果を発見したことを意味します。
本研究成果は、2017年12月15日発行の米科学雑誌 『Science』 に掲載されました。
詳細1: プレスリリース本文 [PDF 1.2 MB]
詳細2: Scienceウェブサイト [DOI:10.1126/science.aan5351]
ディラックコーンにおける電子相関効果