プレスリリース・研究成果

新しいメカニズムで発現する強誘電体を開発

 磁性も備え、室温動作マルチフェロイックス新展開へ

東北大学金属材料研究所の木口賢紀准教授らは、東京工業大学科学技術創成研究院フロンティア材料研究所の伊藤満教授と片山司研究員、安井伸太郎助教らと共同で、新しい物質群κアルミナ型酸化物に属する「ガリウム鉄酸化物(GaFeO3)」を元素置換し、室温での強誘電性を得ることに成功しました。同時に、室温で大きな磁化を有することも分かりました。
イオンの大きさ、化学結合、結晶化学的位置と安定性に着目して発見した。現在、世界中で室温動作のマルチフェロイックスの開発競争が繰り広げられています。今後、今回と類似の構造を有する新物質の探索に拍車がかかると期待されます。
また、この物質群における室温での強誘電性を確認したことは、同型構造を有するアルミニウムや鉄酸化物における強誘電性の開発が加速され、新しいメカニズムで発現する強誘電体の開発に繋がる可能性があります。
研究成果は材料の国際誌「Advanced Functional Materials」とJournal of Materials Chemistry Cの電子版にそれぞれ11月16日および11月27日に掲載されました。
 
詳細1: プレスリリース本文 [PDF 1.2 MB]
詳細2: Advanced Functional Materials ウェブサイト [10.1002/adfm.201704789]
詳細3: Journal of Materials Chemistry C ウェブサイト [10.1039/C7TC04363E]
 
κアルミナ型構造と同構造を持つGa0.8Fe1.2O3の走査型電子顕微鏡像

κアルミナ型構造(a)と同構造を持つGa0.8Fe1.2O3の走査型電子顕微鏡像(b, c)。 (c)での明るい点が陽イオンを示し、(a)に示す結晶構造に一致している事が分かる。