プレスリリース・研究成果

「近藤効果による巨大スピンホール効果」の発見-金の中の鉄イオンがスピンを操る-

  

金属物性論研究部門(前川グループ)は、台湾国立大学、東京大学工学部、との共同研究により、金中の鉄不純物が軌道電子間の強い電子相関により新しいタイプの近藤効果を引き起こすことを見出し、本所で実験的に観測されたていた巨大な「スピンホール効果」[Seki et al., Nature Materials 7, 125 (2008)]の起源を解明しました。金の中の鉄イオンが電子スピンの流れ(磁気の流れ:スピン流)を効率よく生成する指針が与えられ、これにより磁気メモリや磁気ディスク、量子コンピューターなどを駆動することができるなど、新しいスピンエレクトロニクス素子への応用展開が期待されます。本研究成果は米国科学誌「Physical Review Letters」冊子版(2009年1 月23日付)に掲載されるとともに、同誌掲載号の注目論文(Selected for a Viewpoint in Physics)に選ばれました。

図:入射した電子の流れは、不純物鉄イオンのスピン軌道相互作用 によるスキュー散乱によって、横方向のスピン流(赤矢印)に変換される

入射した電子の流れは、不純物鉄イオンのスピン軌道相互作用 によるスキュー散乱によって、横方向のスピン流(赤矢印)に変換される

前川グループ(金属物性論研究部門)