プレスリリース・研究成果

酸化物と導電性有機物で、透明で安価なトランジスターを実現

2009/12/15

  

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の川崎 雅司 教授らは、酸化物界面の電気伝導特性を有機物を用いた電界効果注1)で制御することに成功しました。本研究グループは有機ELディスプレイなどに用いられる導電性高分子注5)の一 種であるpoly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate)(以下PEDOT:PSS と省略)がZnOに対して極めて良質なショットキー電極として働くことに着目して、 PEDOT:PSSをゲート電極とするFETを作製し、MgZnO/ZnOヘテロ接合界面の二次元電子の 電気伝導特性を電圧印加によって自由自在に制御することに成功しました。本成果は透明で安全かつ安価なトランジスターの実現につながることが期待されます。 本研究はJST目的基礎研究事業の一環として行われ、ローム株式会社から試料の一部の 提供を受けて行われました。

図:(上部)酸化物ヘテロ接合(MgZnO/ZnO)と導電性高分子(PEDOT:PSS)で 作製したされたトランジスターの断面構造図。 ゲート電圧(Schottky電極を通した上部からの電圧)印加によって伝導性制御が 可能であり、2次元電子ガス濃度がOFFの状態で少なく、ON状態で多くできる。(下部)2次元電子密度と電気伝導率のゲート電圧による制御性

図:(上部)酸化物ヘテロ接合(MgZnO/ZnO)と導電性高分子(PEDOT:PSS)で 作製したされたトランジスターの断面構造図。 ゲート電圧(Schottky電極を通した上部からの電圧)印加によって伝導性制御が 可能であり、2次元電子ガス濃度がOFFの状態で少なく、ON状態で多くできる。(下部)2次元電子密度と電気伝導率のゲート電圧による制御性

川崎グループ(超構造薄膜化学研究部門)