プレスリリース・研究成果

世界最高磁場で原子の観測に成功 -強磁場走査トンネル顕微鏡の開発-

  

低温物理学研究部門の西嵜照和助教と小林典男教授のグループは、金属材料研究所付属強磁場超伝導材料研究センターに設置されたハイブリッドマグネットを用いて、27テスラの磁場中で材料の電気的性質を原子スケールで見ることのできる強磁場走査トンネル顕微鏡の開発に成功しました。これは磁場中の原子像の観測としては従来行なわれていた14テスラまでの実績を大きく上回る世界最高磁場での観測であり、この成功によりこれまで見ることのできなかった高磁場において、超伝導材料、磁性材料、半導体材料などの性質を原子スケールで直接見ることが可能になりました。この技術を21世紀の省エネルギー材料として期待されている高温超伝導体に適用することで、高温超伝導の機構を明らかにすることや高温超伝導材料の実用化に大きな発展が期待できます。この成果は、日本物理学会第65回年次大会で報告されるとともに、日経産業新聞(2010年3月16日付)などで報道されました。

(左) 強磁場走査トンネル顕微鏡ユニット。 (右) ハイブリッドマグネット(27T)中で観測されたグラファイトの原子層ステップ。

(左) 強磁場走査トンネル顕微鏡ユニット。
(右) ハイブリッドマグネット(27T)中で観測されたグラファイトの原子層ステップ。