プレスリリース・研究成果

超低損失・高磁束密度ナノ結晶軟磁性材料の開発に成功、実用化へ

  

金属ガラス総合研究センター・牧野教授の研究グループは、約95%(重量%)のFeで構成され、かつ、レアメタルを一切含まない新規なナノ結晶軟磁性材料の開発に成功しました。本材料は1.8~1.9Tの高い磁束密度を有すると同時に、その磁心損失(鉄損)は従来材料と比較し1/2~1/3と極めて低く、優れた軟磁気特性を有しています。さらに、脱レアメタル化の達成と大気中での製造が可能であることから、原料・製造コストは従来のナノ結晶軟磁性材料と比べて極めて安価と推算され、早期実用化に向け企業との共同研究を加速化しています。現在、国内消費電力のうちの3.4%がモーターやトランスに使用される磁心材料による損失であり、これは国内CO2総排出量の2%以上に相当します。他方、磁心材料には100年以上にわたり高い磁束密度をもつケイ素鋼が使われてきましたが、その改善は飽和状態にあり、また、新たなHEVやEV用モーターの高効率化や高性能化の高いニーズと相まって新たな軟磁性材料が切望されてきました。本材料は、低炭素社会実現に貢献するだけではなく、地球資源の観点からも有用な材料になるものと期待されます。本研究成果は、11月14日~18日に米国アトランタで開催される第55回磁性及び磁性材料国際会議で招待講演の予定であり、関連記事は、日経、日刊工業(2回)、日経産業(2回)、化学工業及び河北新報に5月20日から7月28日まで計7回掲載されました。