プレスリリース・研究成果

スパコン活用で磁性発現機構の根源的理解に成功

2010/09/27

  

電気自動車用モーターから壁に貼る マグネットまで、強力磁石は広く活躍しています。一方、磁性を説明するモデル理論やいわゆる第一原理計算はありましたが、未知の磁石材料設計をパラメーターなしに実現するためのガイドラインを確立することは、量子力学多体問題の複雑性から極めて困難でした。 今回、計算材料学研究部門(川添教授グループ)は、本所計算材料学センターのスパコンを活用し、電子相関を十分に取り込みビリアル定理を精密に満たすレベルの計算を第2及び第3周期原子に対して実行しました。その結果、フント第1及び第2則の第一成立要因が原子核とスピンを揃えた電子の引力相互作用であることを最終的に確認することに成功しました。分子系に対しても既に同様の結果を得ています。 この研究成果は、9月号の米国物理学協会誌The Journal of Chemical Physics誌に掲載され、9月16日号の日刊工業新聞等で報道されました。

川添グループ(計算材料学研究部門)