プレスリリース・研究成果

絶縁体中のスピンゼーベック効果の観測及び絶縁体からの熱電発電に成功

  

量子表面界面科学研究部門(齊藤グループ)は、日本原子力研究開発機構、FDK社、オランダのデルフト工科大学、中国の復旦大学と共同で、温度差からスピン流(電子スピン角運動量の流れ)が生成される現象「スピンゼーベック効果」が強磁性金属のみならず磁性絶縁体においても存在することを発見しました。更に、スピンゼーベック効果と固体中の量子相対論効果(逆スピンホール効果)を組み合わせることによって、従来は不可能だと考えられていた絶縁体から熱電発電が可能であることを示しました。本研究成果によって、熱伝導によるエネルギー損失が小さい絶縁体を熱電変換素子に利用できるようになり、熱電変換素子の設計自由度や設置可能場所の拡大、及び環境に配慮した電力技術開発への貢献が期待できます。本研究は、NEDOの産業技術研究助成事業、JSTの戦略的創造研究推進事業等の一環として実施されました。本研究成果は英国科学誌「Nature Materials」のオンライン版(2010年9月27日付)に掲載され、2010年9月27日付け日刊工業新聞、電気新聞、10月8日付け日経産業新聞、 10月28日付け読売新聞(夕刊)で紹介されました。

(a) 絶縁体熱電変換素子の模式図と熱起電力生成メカニズム。 (b) 本研究で用いた試料系。 (c) 試料に発生した熱起電力の磁場依存性。

(a) 絶縁体熱電変換素子の模式図と熱起電力生成メカニズム。
(b) 本研究で用いた試料系。
(c) 試料に発生した熱起電力の磁場依存性。