東北大学金属材料研究所結晶物理学研究部門 藤原航三教授、および結晶材料化学研究部門 宇田聡教授は、FTB研究所株式会社、国立研究開発法人 産業技術総合研究所、福島再生可能エネルギー研究所再生可能エネルギー研究センター 太陽光チームの福田哲生招へい研究員、高遠秀尚チーム長と共同で、高品質単結晶シリコンの低コスト製造技術を開発しました。
単結晶シリコンの高品質化には、MCZ法という石英るつぼの外部から磁場を作用させながら結晶を製造する手法が主に用いられていますが、太陽電池に強く求められるコストダウンが課題でした。今回研究チームは、磁場を作用させることなく、シリコン融液をはじく特殊な処理を行った石英るつぼを用い、結晶製造条件を最適化することによって、低コストで高品質な単結晶シリコンの製造方法(LCZ法)の開発に成功しました。本技術は、新規の投資をほとんど必要とせずに、MCZシリコンと同等、またはそれ以上の高品質シリコンを製造できることが特徴です。高効率太陽電池のコスト低減が期待されると同時に、2020年の発電コスト目標(業務用電力並14円/kWh(非住宅分野))の達成に向けて大きく前進できます。
なお、本技術については本年3月19~22日に東京工業大学で開催の第63回応用物理学会春季学術講演会で発表されました。
詳細: プレスリリース本文 [PDF: 558KB]
LCZ法で製造した単結晶シリコン(直径200mm、全長800mm、重さ50kg)