プレスリリース・研究成果

ウランを含む強磁性超伝導体のリフシッツ転移を発見

 東北大学金属材料研究所の青木大教授、CEA-Grenoble(フランス原子力庁)のGeorg Knebel(ゲオルグ・クネベル)研究員らの研究グループは、CNRS(フランス国立科学研究センター)と共同で、リフシッツ転移という特殊な「転移」をウラン化合物の強磁性超伝導体UCoGeで発見しました。

 通常、強磁性と超伝導はお互いに相反する物理現象です。UCoGeは、この常識に反して両者が共存します。さらに磁場によって超伝導が安定化するという不思議な現象を示します。このため、これまでとは異なる新しい超伝導発現機構が実現していると考えられています。

 本研究では、強磁性超伝導体UCoGeの純良単結晶を育成し、極低温、強磁場の極限環境下で磁気抵抗、ホール効果、熱電能を測定することにより、多段のリフシッツ転移が起きていることを明らかにしました。リフシッツ転移とは、フェルミ面のトポロジー変化をともなう特殊な「転移」です。本研究では、 精密物性測定により量子振動の観測に成功し、フェルミ面が磁場とともに次々に変化していることを突き止めました。これにより、非従来型の超伝導発現機構解明につながるものと考えられます。

 本成果は、米国科学誌「Physical Review Letters」に、2016年11月9日オンライン公開されました。

 

 詳細: Physical Review Letters ホームページ [DOI:10.1103/PhysRevLett.117.206401]

 

強磁性超伝導体UCoGeの熱電能の量子振動

上図:強磁性超伝導体UCoGeの熱電能の量子振動
下図:磁場によるリフシッツ転移を示す模式図