プレスリリース・研究成果

電子価数を世界最強磁場下でのX線分光により直接決定

最近、磁気物理学研究部門と日本原子力研究開発機構をはじめとしたグループは、独自の超小型パルスマグネット技術を用いて、世界最高の50テスラを超える強磁場中で様々な放射光X線実験を可能にする技術を開発してきました。今回、その応用の一つとしてX線吸収スペクトルを測定することで、価数揺動物質YbInCu4の超強磁場下での価数を直接的に決定することに初めて成功しました。非常に強い磁場かつ低温での実験を行うことで、通常排除できない熱励起効果による曖昧さを抑制した条件で価数が決定できたことは重要です。この実験手法は、半導体スピントロニクス材料などの多くの物質に適用可能であり、今後、X線磁気円二色性(XMCD)等のより高度な分光手法への展開が期待できます。  本成果は、J. Phys. Soc. Jpn.の「Papers of Editor's Choice」に選ばれ(Vol.76, No.3, p.034702 )、科学新聞(3月30日付)で紹介されました。
世界最高磁場中での放射光X線実験を可能にした 超小型パルスマグネットの写真 (右は10円玉)

世界最高磁場中での放射光X線実験を可能にした超小型パルスマグネットの写真 (右は10円玉)