これまで報告のない新規物質NpPd5Al2の単結晶を育成し、ネプツニウム化合物としては世界で初めて超伝導を発見した。超伝導転移温度は5K(ケルビン)であり、重い電子系超伝導体の中ではかなり高い。超伝導が壊れる上部臨界磁場も15T(テスラ)と非常に高く、これは地磁気の50万倍に相当する。ネプツニウムが磁性を持っているにも関わらず超伝導が発現しており、従来のBCS理論では説明の出来ない異方的超伝導体であることが分かった。この成果は、河北新報の一面(5月26日付)、日刊工業新聞(5月28日付)、常陽新聞(5月28日付)に掲載されたほか、J.Phys.Soc.Jpn.の6月号に発表され注目論文に選ばれた。本研究は日本原子力研究開発機構、大阪大学との共同研究である。
超ウラン化合物NpPd5Al2の電気抵抗の温度依存性
塩川グループ (放射線金属化学研究部門)、
附属量子エネルギー材料科学国際研究センター
附属量子エネルギー材料科学国際研究センター