国立大学法人東北大学金属材料研究所の高坂亘助教、宮坂等教授らは、金属錯体から構成される多孔性材料のガス吸着現象を、簡便に電気的に測定する手法を発表しました。ペレット成形した材料に交流電場を印加し、測定雰囲気と温度を制御しながら誘電率の測定を行うことで、ガス吸着に伴う材料の構造変化が誘電率 の変化として検出されます。構造の変化は小さなものですが、その変化を電気信号として取り出す事により、わずかな試料(~5mg)から材料のガス吸着挙動 に関する情報が得られます。さらに本手法では交流電気伝導度の測定も行えるため、吸着される分子と材料表面との電子的な相互作用に関する情報も同時に得ることが可能です。本結果は、多孔性分子材料のガス吸着特性における、温度・圧力応答性に対する知見を簡便に与えうる電気的な検出法であり、化学的な刺激により駆動する電子デバイスの創出に繋がるものと期待されます。
本研究成果は米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」に受理され、公開されました。
詳細(プレスリリース本文): http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20140901_02web.pdf [PDF:483KB]