プレスリリース・研究成果

絶縁体に光を照射してスピン流を創り出す新しい原理を発見 - 新原理・新機能のエネルギー変換技術開発に道 -

 JST 戦略的創造研究推進事業において、東北大学 金属材料研究所の内田 健一准教授らは、特定の金属微粒子を含む磁石に可視光を照射することで、スピン(磁気)の流れを生成できる新しい原理を実証しました。

近年、持続可能な社会に向けた環境、エネルギー問題への取り組みが活性化する中、身近に存在する光、熱、振動、電磁波などをエネルギー源として利用するような、新しいエネルギー変換原理の創出が期待されています。例えば、クリーンで信頼性の高いエネルギー変換技術の候補として、太陽電池や熱電素子、圧電素子などを用いた発電技術が盛んに研究されています。

 今回、内田准教授らは、特定の金属微粒子への光照射で誘起される「表面プラズモン」と呼ばれる電子の集団運動を磁石の中で励起することで、光のエネルギーをスピン流に変換することに世界で初めて成功しました。また、これまでにスピン流を電流に変換する技術も確立しており、光のエネルギーから電流を生成する新たなエネルギー変換原理が創出されたことになります。

 これまでに確立されてきた熱や音波、電磁波によるスピン流生成と同様の材料で、今回実証した光-スピン流生成も発現することが分かりました。このことから、電流やスピン流の駆動力として同時に利用可能なエネルギー源の選択肢をさらに広げられることが明らかになりました。今後の研究の進展により、表面プラズモンとスピン流を融合した新しい研究分野の形成や、外部電源を必要としない電気、磁気デバイスの研究開発に貢献することが期待されます。

 本研究は、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構および金属材料研究所の齊藤 英治教授(日本原子力研究開発機構 先端基礎センター 客員グループリーダー兼任)、日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センターの前川 禎通センター長、安立 裕人副主任研究員らと共同で行ったものです。

 

 本研究成果は、2015年1月8日(英国時間)発行の英国科学誌「Nature Communications」においてオンライン公開され、2015年1月9日付の化学工業日報、2015年1月13日付の日経産業新聞に掲載されました。

 

詳細(プレスリリース本文):http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20150107_01web.pdf [PDF:629KB]