プレスリリース・研究成果

トポロジカル絶縁体の表面ディラック状態の量子化を実証 -トポロジカル絶縁体を用いた低消費電力素子への応用に期待-

 東北大学金属材料研究所の塚﨑敦教授、理化学研究所創発物性科学研究センター強相関物性研究グループの吉見龍太郎研修生(東京大学大学院工学系研究科博士課程)、十倉好紀グループディレクター(同研究科教授)、強相関界面研究グループの川﨑雅司グループディレクター(同研究科教授)らの共同研究グループは、新物質のトポロジカル絶縁体「(Bi1-xSbx)2Te3」薄膜を用いて、エネルギー損失なく電流が流れる「整数量子ホール効果」を初めて観測し、トポロジカル絶縁体の表面ディラック状態の量子化を実証しました。  

 共同研究グループは、トポロジカル絶縁体の1つ「(Bi0.12Sb0.88)2Te3」(Bi:ビスマス、Sb:アンチモン、Te:テルル)の高品質薄膜の作製手法を確立し、ほとんど結晶欠陥のない(内部に電流が流れることがない)薄膜の作製に成功しました。これを用いて電界効果型トランジスタ構造を作製し、試料内部の電子数を少しずつ変化させながらホール抵抗を測定したところ、ホール抵抗が量子化抵抗値(約25.8kΩ=h/e2)で一定となり、試料に整数量子ホール状態になっていることを確認しました。さらに、外部電圧を制御することで、ディラック状態の整数量子ホール状態と絶縁的な状態を電気的に制御できることを示しました。この成果は、高速で低消費電力の素子への応用が期待できます。

 本研究は、最先端研究開発支援プログラム(FIRST)課題名「強相関量子科学」の事業の一環として行われ、成果は、英国のオンライン科学雑誌『Nature Communications』(4月14日付け:日本時間4月14日)に掲載されました。

 

詳細(プレスリリース本文)http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20150410_01web.pdf  [PDF:405KB]