プレスリリース・研究成果

量子臨界点近傍のフェルミ面の変化を精密熱電能測定で解明

2015/06/17

 東北大学金属材料研究所の青木大教授とCEA-Grenoble(フランス原子力庁)のA. Pourret研究員らの研究グループは、CNRS(フランス国立科学研究センター)、理化学研究所と共同で、重い電子系反強磁性体CeRh2Si2の極限環境下におけるフェルミ面の変化を明らかにしました。強磁場、高圧下で純良単結晶CeRh2Si2の熱電能を精密測定することにより、(1)反強磁性状態で観測されていた熱電能量子振動が臨界磁場で突然消失すること、(2)高圧の反強磁性臨界圧で、熱電能の値が符号反転をともなって著しく変化することがわかりました。反強磁性量子臨界点近傍でのフェルミ面の不安定性を示しており、重い電子系の量子臨界現象の理解が格段に進むことが期待されます。  本成果は、米国科学誌「Physical Review B」の注目論文(Editors’ Suggestion)として、2015年6月15日(月)オンライン公開されました。

 

詳細(Physical Review B Webサイト)http://journals.aps.org/prb/abstract/10.1103/PhysRevB.91.245129

 

CeRh2Si2の強磁場下における熱電能量子振動効果