プレスリリース・研究成果

薄膜積層化で整数量子ホール効果を従来より高温・弱磁場で実現

2015/10/27

 東北大学金属材料研究所の塚﨑敦教授、理化学研究所創発物性科学研究センター強相関物性研究グループの吉見龍太郎研修生(東京大学大学院工学系研究科博士課程)、安田憲司研修生(同研究科修士課程)、十倉好紀グループディレクター(同研究科教授)、強相関界面研究グループの川﨑雅司グループディレクター(同研究科教授)らの共同研究グループは、新物質のトポロジカル絶縁体「(Bi1-XSbX)2Te3」薄膜上に磁性元素のクロム(Cr)を添加した層を積層させることで、エネルギー損失が極めて小さい電流が流れる「整数量子ホール効果」を従来より高温・弱磁場で実現し、トポロジカル絶縁体の表面ワイル状態の制御に向けた新しい設計指針として有効であることを実証しました。

 本研究は、最先端研究開発支援プログラム(FIRST)課題名「強相関量子科学」の事業の一環として行われ、成果は、国際科学雑誌『Nature Communications』(10月26 日)に掲載されました。

 

詳細1: プレスリリース本文 [PDF:650KB]

詳細2: Nature Communications Webサイト [doi:10.1038/ncomms9530]

 

図:トポロジカル絶縁体・磁性トポロジカル絶縁体の積層薄膜を用いた電界効果トランジスタ構造(a)と電界効果トランジスタの光学顕微鏡写真(b)