プレスリリース・研究成果

金属材料研究所 超低損失ナノ結晶軟磁性材料研究開発センター設置のお知らせ

東北大学金属材料研究所(新家光雄所長)は、平成24年6月1日付けで「超低損失ナノ結晶軟磁性材料研究開発センター」(センター長 牧野彰宏教授)を開設しました。本センターは、「東北発 素材技術先導プロジェクト」(文部科学省)の3つの技術テーマのひとつである「超低損失磁心材料」の研究開発拠点として、以下の課題に取り組んでまいります。

 

【センター設立の趣旨】

 地球規模でのエネルギー消費量削減のため、電力輸送から日常電化製品までのあらゆる分野で電力効率を改善することが求められています。とりわけ磁気応用製品の電気-磁気変換に伴う磁心損失(エネルギーロス)は、全電量消費量の3.4%と大きな割合を占めています。一方で磁心材料として96%のシェアを占めているケイ素鋼によるトランスやモーターなどの電力効率の性能向上は限界に達しつつあるのが実情です。この磁心損失低減という課題に対し、東北大学が生み出した特異な自己組織化ナノヘテロアモルファス構造の結晶化を利用し、極限まで低い磁心損失を実現しうる革新材料としての超高鉄濃度ナノ結晶軟磁性合金の創成を行います。また、本革新材料の実用化に向けた多くの技術課題に対し、学術面から支えるため、異分野の学術及び工学領域が協働して解決する組織的研究を行うことによって、実用化を見据えた材料創製の基盤技術を確立することを目指します。具体的には、磁気理論、ナノ組織制御及び金属工学といった基盤となる要素技術において、手法・指針の確立と専門人材の育成を図り、また関連企業とのコミュニケーション量を増やしつつ、これら異分野の研究者や技術者が協働し共通の課題解決を目指す新しい研究開発体制を構築します。本センターは、このナノ結晶軟磁性材料分野における、磁気理論とナノ組織理論を統合した本質的な材料設計指針を構築することで、本学術領域の発展を牽引し、さらに、これらの革新的な基盤技術を軸とし、連携大学や連携企業並びに地元との産学官連携を、人材育成、技術交流、製品開発など多面的に進めることにより、東北地域の産業活性化につなげます。これらの取組により、2016年度までに、電磁変換におけるエネルギー損失を25%以上削減しうる新材料の実現を目指します。