プレスリリース・研究成果

産業用チタン合金の加工性(超塑性)を飛躍的に高める組織制御技術を開発 -航空機や民生品などの広範な用途への実用が期待 -

             

 東北大学 金属材料研究所の松本洋明助教は、NEDOの若手研究グラントの一環として、東北大学 金属材料研究所の千葉晶彦教授、日本発条株式会社とともに650℃~750℃で速度が10-2s-1の低温-高速加工条件においても220%以上の巨大引張伸びを示す超塑性特性が発現する産業用Ti-6Al-4V合金の製造に成功しました。

  従来のTi-6Al-4V合金の超塑性成形は800~950℃の高温で、10-4s-1~10-3s-1の低速の速度下の変形条件で行われ、高温‐低速変形下での加工のため、生産性が低く、更には、高温での加工のため金型の寿命が短い欠点もありました。超塑性加工はニアネットシェイプ加工が可能であり、魅力的なプロセスでありますが、このような多くの問題を抱えており、その実用化は航空機用に限定されているのが現状で、Ti合金の超塑性現象発現の低温化と高速化が産業界で強く望まれておりました。今回、開発したTi-6Al-4V合金は独自に開発した “α′プロセッシング” という加工技術を駆使して、結晶粒径を0.5µm以下に制御することで低温-高速変形下でも超塑性特性を発現することに成功しております。加工手法も単純で、α′組織を出発組織として適切な加工条件でひずみ量を1以上に設定することで、製造できるために加工工程やコストも従来とほとんど変わらず、製造が可能であります。そのため、難加工性であるTi-6Al-4V合金について複雑形状への加工を可能とする超塑性加工の低温-高速化が可能となり、航空機用、自動車用、化学プラント用、さらには一般民生品用への広範な用途への実用が期待されます。

         

 この成果は、2012年9月18日付 日刊工業新聞、化学工業日報、日刊自動車新聞、2012年10月1日付 河北新報に掲載されました。