発表のポイント
- フローティングゾーン法によりさまざまなPb含有量のBi2-xPbxSr2CaCu2O8+δ単結晶を育成し、紫外・可視光をそれら結晶に透過させることで、透過測定によってBi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)の特徴的な「うねり構造」が光学的異方性に与える影響を調べました
- 含有量を増加させることで、光学的異方性の大きさが単調に減少することから、光学的異方性の起源がその「うねり構造」に関連していることを明らかにしました
- 置換によって光学的異方性が大幅に低減されることで、光学活性や円二色性のより正確な測定が可能になり、高温超伝導のメカニズムに関する議論において重要な対称性の破れの存否を探求することが可能となります
概要
東北大学金属材料研究所の藤田全基(ふじたまさき)教授、早稲田大学理工学術院の朝日透(あさひとおる)教授、同大学総合研究機構の中川鉄馬(なかがわけんた)主任研究員(研究院講師)、同大学大学院先進理工学研究科修士2年の時田桂吾(ときたけいご)らの共同研究グループは、世界で初めて銅酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8+δ(Bi2212)の紫外・可視光領域における大きな光学的異方性の起源と結晶構造の関連性を明らかにしました。
本研究成果は、国際学術出版社であるNature Research社発行による『Scientific Reports』誌に2024年11月7日(木)(現地時間)に掲載されました。
本研究成果は、国際学術出版社であるNature Research社発行による『Scientific Reports』誌に2024年11月7日(木)(現地時間)に掲載されました。
詳細
- プレスリリース本文 [PDF: 903KB]
- Scientific Reports [DOI: 10.1038/s41598-024-78208-6]