発表のポイント
- ポリエステル製の生地や衣類が放射線照射で発光することを発見
- 陽子線ビーム照射によるポリエステル衣類の発光画像化に成功
- ポリエステル生地は柔らく、患者表面に密着して配置可能なため、放射線治療における表面発光計測など、さまざまな分野への応用が期待される
概要
東北大学金属材料研究所の吉川 彰(よしかわ あきら)教授は、同大学未来科学技術共同研究センターの吉野 将生(よしの まさお)准教授、鎌田 圭(かまだ けい)准教授、早稲田大学理工学術院の山本 誠一(やまもと せいいち)上級研究員(研究院教授)および片岡 淳(かたおか じゅん)教授らのERATOプロジェクト研究チーム(プロジェクトリーダー:片岡 淳教授)、神戸陽子線センターの山下 智弘(やました ともひろ)博士、大阪大学大学院医学系研究科の西尾 禎治(にしお ていじ)教授と共同で、一般に市販されているポリエステル製の生地や衣類が放射線照射で発光することを発見しました。またポリエステル製の衣服が、放射線治療に使われる陽子線ビーム照射で発光している様子を短時間間隔の連続画像(リアルタイム画像)として可視化することにも成功しました。ポリエステル製の生地や衣類は柔らかく、自在に曲がるので、放射線治療のみならず、放射線計測に関連した様々な分野への応用が期待されます。
本研究成果は、2024 年6月12日にオンライン総合科学誌『Scientific Reports』に 発表されました。
詳細
- プレスリリース本文 [PDF: 619KB]
- Scientific Reports [DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-024-62456-7]
図1 陽子線照射中のポリエステル製Tシャツ画像化実験の模式図