発表のポイント
- 強誘電体チタン酸バリウムと同型のペロブスカイト型ニオブ酸ルビジウムを高圧法により合成
- ペロブスカイト型ニオブ酸ルビジウムが、300–400℃で、高誘電率が見込まれる強い歪み構造であることを解明
- 高圧合成とマテリアルズ・インフォマティクスの協同が材料探索に有効であることを提示
概要
東北大学金属材料研究所の杉山和正教授と川又透助教は、芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田純)工学部先進国際課程・山本文子教授らの研究チーム、一般財団法人ファインセラミックスセンター、学習院大学、東京大学との共同研究において、多種多様な物性を示すことから「機能の宝庫」と言われるペロブスカイト型化合物に、通常では導入が困難なルビジウムという大きな金属イオンを取り込む方法を開発しました。これにより、理論的には高い性能が予想されているにもかかわらず合成が困難であった、ニオブ酸ルビジウムの逐次相転移を明らかにし、新しい誘電体や圧電体の設計指針を立てることが可能となりました。
今後、高圧合成とマテリアルズ・インフォマティクスとを組み合わせることで、さらに新しい物質の提案を精度良く行うことができると期待されます。
この研究成果は、「Dalton Transactions」誌に掲載されています。
詳細
- プレスリリース本文 [PDF: 473 KB]
- Dalton Transactions [DOI: 10.1039/d4dt00190g]