プレスリリース・研究成果

コア・ヒーティング法の開発 - 革新的な超高融点材料の探索の迅速化-

2021/01/22

発表のポイント

  • 2300℃程度以上の融点をもつ材料でも結晶合成できる新しい結晶育成方法「コア・ヒーティング法」の開発に成功した。
  • 既存の低融点の結晶材料(光学材料)について、本方法と既存の育成法で比較したところ、発光量などほとんどの性能で差が見えなかった。
  • 本方法は既存のアーク炉を転用できるため、多くの研究室で低コストに利用でき、また1日に10個以上の結晶育成が可能である。
  • これにより、開発が進んでいなかった高融点の材料探索が一気に進むことが期待できる。

概要

 高融点を持つ結晶材料については、「ルツボ」を用いない結晶育成法が一般的ですが、そうした従来の方法には、結晶育成までの準備に手間がかかるなどの問題点がありました。
 東北大学未来科学技術共同研究センターの黒澤俊介准教授(山形大学客員准教授兼務)、同大金属材料研究所の倉嶋佑太朗(修士2年)、同大未来科学技術共同研究センターの吉川彰教授(株式会社C&A兼務)らのグループは、株式会社C&Aの鎌田圭代表取締役社長(同大未来科学技術共同研究センター、金属材料研究所兼務)、村上力輝斗主任研究員、 石川志緒利研究員(同大未来科学技術共同研究センター助手兼務)、庄子育宏執行役員(COO)らとともに、新しい結晶育成方法であるコア・ヒーティング法の開発に成功しました。
 本方法により、単結晶育成に大きなハードルがあった2300℃を超えるような超高温の融点を持つ結晶材料について、1日に10個以上の結晶合成が可能になります。そして、宇宙開発に利用する材料、高温炉など高温環境下での断熱材、排熱利用のための材料といった多くの材料開発が進むことが期待できます。
 本研究成果は、12月28日Crystal Growth & Designに掲載されました。

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