プレスリリース・研究成果

予測制御技術で太陽光発電の電気を昼も夜もフル活用!

2018/05/09

仙台市内で次世代型防災対応エネルギーマネジメントの試験運用開始

発表のポイント

  • 仙台市内に既設の防災対応型太陽光発電システムをベースに開発した「次世代型防災対応エネルギーマジメント」が試験運用開始
  • 発電量、電力使用量、気象情報などの各データから予測制御技術を用いた最適化を行い、CO2フリーである太陽光発電電力の有効活用と防災力の強化、CO2排出量削減につなげる
  • 昨今注目されている仮想発電所(バーチャルパワープラント:VPP)への展開が期待できる

概要

 現在仙台市内には、全小中学校を含む指定避難所等194カ所に防災対応型太陽光発電システムを導入し運用しています。昼は太陽光発電から電力供給を行い、災害時には避難所での電気を確保できるシステムです。

 本発電システムには次の課題があります。.CO2フリー電力の未利用問題(土日祝及び長期休暇時に太陽光から発電したCO2フリーの電気が未活用)、.蓄電池の寿命問題(蓄電池を長持ちさせるには適切な充放電が必要だが、既設では常に満充電状態)。

 上記課題を解決し、更に防災性・環境性の向上を図るべく、今回、金属材料研究所は仙台市と共同で、本システムを活用した「次世代型防災対応エネルギーマジメント」の試験運用を4月より開始いたします。具体的には太陽光発電量や電力使用量、気象情報等の各データから予測制御技術を利用して、遠隔監視による電力の見える化と最適化制御をします。これにより太陽光発電電力の有効活用、蓄電池の長寿命化、電力のピークシフトによる電力料金削減、更に気象情報に応じた防災力の向上、CO2排出量の削減も期待できます。

 本試験では実運用における効果の検証を行うとともに、自治体や個人が持つ発電設備をまとめ、一つの発電所のように活用する「仮想発電所(バーチャルパワープラント:VPP)1」への展開に関する検討も行います。詳細は次ページをご確認いただくか、下記までお問い合わせください。

※1バーチャルパワープラント(VPP)
自治体や企業、個人がそれぞれ持つ発電設備や蓄電設備をまとめ、一つの発電所のように活用するしくみのこと。各々の発電・蓄電量をまとめて制御することで、大規模な発電所のように電力の需要と供給の調整に役立つとして注目されている。
 
詳細:プレスリリース本文 [PDF: 701]

次世代型防災対応エネルギーマネジメント