RESEARCH ACTIVITY

アモルファスシリコンを液体から直接つくることに成功

発表のポイント

  • 融けたシリコンの温度を融点から約300℃以上下げるとアモルファスが形成されることを見出した。
  • 液体急冷法を用いたアモルファスシリコンの量産を実現するために解決すべき問題点が明らかになった。
  • 過冷却液体シリコンとアモルファスシリコン間の1次相転移を示すと考えられる現象を観測した。

概要

 東北大学金属材料研究所の岡田純平准教授、宇田聡教授を中心とする研究グループは、「静電浮遊法」を用いて、液体シリコン(Si)を充分に過冷却させた状態を実現し、これを固化することによってアモルファスSiができることを見出しました。さらに、この過冷却液体SiとアモルファスSiの間の関係が「準安定相間の1次相転移」であることを実験的に明らかにしました。成果の詳細は米国物理学協会が発行する「Applied Physics Letters」に3月4日付けで掲載されました。

詳細

  • プレスリリース本文 [PDF:652KB]
  • Applied Physics Letters ウェブサイト [DOI: 10.1063/1.5129059]

図1. Si融体の過冷却状態を急冷するための装置。静電気を用いて浮遊保持したSi融体の液滴を落下させ、2個の銅ピストンで勢いよくはさみ込むことによって試料を急冷する。