RESEARCH ACTIVITY

通電不要のイオン制御型電磁石の開発に成功 ―イオンの出入りが磁性状態のON-OFFスイッチに―

  国立大学法人東北大学金属材料研究所の谷口耕治 准教授、宮坂等 教授らは、金属錯体からなる分子性格子材料へのイオンと電子の出入りを制御することで、磁性状態のON-OFFスイッチが可能な新たな電磁石の開発に成功しました。

 研究グループは、金属–有機物骨格体と呼ばれる多孔性の分子層状化合物をリチウムイオン電池の正極材に用いて、二次電池の充放電特性を利用しました。これにより可逆的にイオンと電子が正極材に脱挿入(充放電操作)され、正極材の磁石としての性質(フェリ磁性状態)を充放電操作に連動してスイッチングできることを明らかにしました。

 さらにこのイオン制御型電磁石は、フェリ磁性状態に一度スイッチしてしまえば、通電し続けなくても磁石としての性質を維持する(不揮発性)ことができます。通常の電磁石は通電している間だけ磁石となる為、今回開発した電磁石は今までよりも消費電力を抑えることが可能です。今後、新たな低消費電力の不揮発性の電磁石としての応用などが期待されます。

  本研究成果は、2016年12月29日付けで材料科学誌「Advanced Functional Materials」にオンライン掲載されました。

 

 詳細1: プレスリリース本文 [PDF:1MB]

 詳細2: Advanced Functional Materials ウェブサイト [DOI:10.1002/adfm.201604990 ]

 

本成果の概要図: 充放電操作に連動してイオンと電子が導放出され、磁性状態がスイッチングする。磁性の維持には通電は必要がない。