RESEARCH ACTIVITY

粒子線治療での治療中リアルタイムモニタの開発 ―革新的ガンマ線撮像装置:電子飛跡型コンプトンカメラの応用―

  • 粒子線治療時に非常に近い照射流量条件でのガンマ線の撮像に成功した。
  • 予想されるガンマ線分布通り、ブラッグピークよりもビーム上流側にガン マ線の分布(ピーク)を観測することができた。
  • これにより粒子線治療中でも体内のどの深さに粒子線を照射しているかが リアルタイムにわかるようになった。
  • 本技術により、より信頼性の高いがん治療が期待できる。

概要

 東北大学未来科学技術共同研究センターの黒澤俊介准教授(兼山形大学学術 研究院助教(理学部担当))らのグループは、京都 Space Gamma 社の谷森達顧問(兼京都大学理学研究科教授)、山形大学学術研究院の根本建二教授(大学院 医学系研究科担当/医学部附属病院長)、岩井岳夫教授(同研究科担当)、門叶冬 樹教授(理学部担当)、および東北大学金属材料研究所吉野将生助教、京都大学 大学院理学研究科高田淳史助教らの協力の下、粒子線治療時の照射量に近い環境下(290 MeV/u 炭素線 2x106 cps)でのガンマ線の撮像に成功しました。
 本研究成果は、2018 年 9 月 21 日に名古屋国際会議場で行われた 2018 年 第 79 回応用物理学会秋季学術講演にて発表されました。本研究は、国立研究開発 法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療分野研究成果展開事業・先端計測分 析技術・機器開発プログラムによって支援されました。
 
詳細:プレスリリース本文 [PDF: 1327KB]

ガンマ線撮像による粒子線治療モニタの概念図

図1. ガンマ線撮像による粒子線治療モニタの概念図