レポート

第88回東北大学金属材料研究所 金研夏期講習会を行いました(7/26-27)

2018/08/02

 平成30年7月27日(木)-28日(金)に第88回金属材料研究所夏期講習会を開催しました。

 今回のテーマは「産学連携による価値の創造」と題し、1日目は本所講堂で6つの講義が行われました(プログラム詳細は金研夏期講習会ウェブサイトへ)。2日目は9つの班に別れ、各研究室で実習が行われました。講義で学んだことを深めるべく、試料作製から測定までを行ったり、プログラミングや機器の操作を実践したりして、理解を深めていました。

 また今季は新たな試みとして、講習会の最後に特別講演を企画し、松岡隆志教授および今野豊彦教授が、大学の産学官連携のあり方について講演しました。

 今年は企業の研究者・技術者の方を中心に約50名の方にご参加頂きました。参加者からは「講義と実習が組み合わされた、興味深い講習会でした。」「興味深い内容が多く、産業の動向なども理解でき有意義だった。」「専門的な知識だけでなく、どういう姿勢で仕事や研究に取り組んでいったらよいのか感じ取ることが出来ました。」との声を頂きました。

夏期講習会を終えて 実行委員長 正橋直哉

 本所創設者の本多光太郎博士は、金研の研究成果が産業界で使われることを期待し、1922年に第1回金研夏期講習会を開催して、金研の学術知見を産業界に広く紹介しました。この精神を想起する意味で、88回目を迎える今年は「産学連携による価値の創造」をテーマに掲げました。

 独立行政法人化後の大学は、産学連携の強化を期待されていますが、産業界から見た大学はまだまだ身近とは言えません。今年は、事前に行ったアンケートを参考に、講演と実習を選び、さらに特別講演を設けました。産業界が大学とどのように交流したらよいか、企業経験のある松岡隆志教授と今野豊彦教授のお二人に産学官連携の在り方について講演を頂きました。松岡先生からは、「日本再浮上のための産官学連携にむけて」と題し、産官学の各セクターの問題点を分析した上で、いかにして連携し成果を上げるべきかを紹介頂きました。また今野先生からは、「日本における産学連携の系譜とオープンイノベーション~材料開発の視点から~」と題し、鉄鋼業を例に産学連携の歴史を振り返り、オープンイノベーションについてお考えを紹介頂きました。折角の機会ですので、お二人の先生の講演の概要とスライド(抜粋)を公開しますので、ご覧下さい。なお、講演動画をご覧になりたい方は、広報室(E-mail)までご連絡下さい。

 伝統ある金研夏期講習会に参加して良かったと思って頂けるよう、今後も関係者一同尽力しますので、引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

産学連携特別講演概要およびスライド
「日本再浮上のための産官学連携にむけて」 教授 松岡隆志
 ・概要
「日本における産学連携の系譜とオープンイノベーション~材料開発の視点から~」教授 今野豊彦
 ・概要
 

開会挨拶:教授 今野豊彦 

7/26講義1:教授 千葉晶彦

7/26講義2:教授 松岡隆志

7/26講義3:教授 淡路智

7/26講義4:教授 毛利哲夫

7/26講義5:教授 笠田竜太

7/26講義6:教授 古原忠

7/27実習: 半導体(SiとSb)の融液成長過程の固液界面観察

7/27実習:高強度鋼の水素脆化特性試験

7/27実習: 磁場中示差熱分析による相変態に及ぼす磁場効果の観察

7/27実習:計算材料科学・機械学習ことはじめ

7/27修了式:修了書授与

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集合写真