金属材料研究所 先端結晶工学研究部・未来科学技術共同研究センターの吉川彰教授と未来科学技術共同研究センターの鎌田圭准教授が、東北大学とC&A研究グループによる「新規ガーネット型シンチレーター結晶の開発とベンチャー企業による実用化」の功績が認められ、第16回材料科学技術振興財団 山崎貞一賞を受賞しました。贈呈式は2016年11月25日に行われます。
同研究グループは、放射線検出器の主要部品であるシンチレーターについて、世界最高特性を有するGAGGシンチレータを2011年に開発。その後、ベンチャー企業を起業し、リサイクル可能で低コストの大型単結晶制作技術、量産化技術などを開発し事業を拡大しました。これにより、小型放射線測定器であるサーベイメータ、食品放射能検出器などを通じて安心安全な社会の実現に貢献しました。また、それまで海外企業がシェアを占めていたシンチレータが国産になったことで、これを用いる関連製品企業が活性化することが期待されます。
「一般財団法人材料科学技術振興財団山崎貞一賞」は、科学技術水準の向上とその普及啓発に寄与することを目的とし、また、東京電気化学工業株式会社(現TDK株式会社)の創業者・2代目代表取締役社長であり、材料科学技術振興財団の初代理事長を務めた故山崎貞一氏の科学技術および産業の発展に対する功績、人材の育成に対しての貢献を記念して創設された賞です。 山崎貞一賞は、「材料」「半導体及び半導体装置」「計測評価」「バイオサイエンス・バイオテクノロジー」の4分野からなり、論文の発表、特許の取得、方法・技術の開発等を通じて、実用化につながる優れた創造的業績をあげている人に贈られます。